夏のとき

毎夏、当たり前のようにいにしえの人たちをおもう時が訪れる。

でも、そのひとりひとりにどんな家族や友がいて、

どんなことに興味を持って日々を送っていたのか。

そんなふうにとことん思いを丁寧に走らせるべきなのだ。

花火や青空、夏の深い緑。

それらに戯れながら私たちの知らない過去に思いを馳せる。

どんなに小さな出来事でもいい。

出来るだけリアルに想像のエッジを効かせて丁寧に。

少し前の過去に暮らしていた人々を思い描くことで、

心の平静と普遍の生を味わうのだ。

秋の音はまだ。でも間も無くだ。いとおしむ、夏のときを。