誰もいない海

確かそんな歌い出しの歌があった。口ずさむひとは、誰かがきっと待っているからそんな歌を歌えるのでしょう?
海にひとりたたずむだけで泣けてくる。それは自然がやさしいから。ひとは勝手に悲劇だとか噂するのが堪らなく好き。そのくせ大きなお世話は本当に気まぐれ。そんなことを耳にしたらたちまち制御不能になってしまう。小さな記憶がいのちに変わるような経験が欲しい。みんな当たり前のように持っている手応え。たとえ漕ぎ手ひとつでいのちのゴールを迎えるとしても。