曼珠沙華

無事、お医者さまから体調回復の確認をもらい、安堵の帰り道。
曼珠沙華が地上の花火のように、紅白のコンビで一気に花開かせていた。

お彼岸の花。
美しい、妖艶だな、でもやっぱり近寄り難い。
いつもそう思う。

そして、明日にはもう、この輝きは徐々に色褪せてゆく。
当たり前なのだけれど、二度とない出会いでもあるのだ。

なぜか心の中で、永遠と刹那が強烈に交差する。

それは人も同じなのだということを教えてくれているのか。
自分の身体も心も刻々と時を刻んでいるのだと実感した。

手遅れなことばかりに急いている。
夢抱いてきたことにもっと真剣に取り組まなくてはならない。