響く

いつも周囲を見回しては怯える感情を抱え、
何か響くものに出会うとそのコントラストが嬉しかった。
けれども話すことはなく、いつも秘めたことと過ごしていた。
少し紙に書いて、描いて、その思いを吐き出して。
その繰り返しを訳わからず続けた。
それが永遠だと勘違いしていた。

そしてそれから。
異国に出会い、ことばに出会い、いろんな世界に生きる人に出会い。
そして経験のない価値観に出会い、大きく突き動かされる内的感覚。
何度も誰かに強く嫉妬した。
でも、そのエネルギーをもっと正しく使いたかった。

響くもの、憧れるものは、なんなのか。
そのルーツ、そしてそこから何かをつくり、誰かに繋がる。ぶつかる。

自分のため、誰かのため、が響くように。
限りある時間の中で出会ったこと。

与えられたいのちを響かせたい。
月に祈りを捧げて。